【解剖学問題19 泌尿器 その2(解答編)】
問題01: 1
解説:1 : 腎臓に血液を供給する動脈は,まず,腹大動脈から直接分岐する腎動脈から始まり,腎門から入って, 腎乳頭間を走る。これを葉間動脈といい, これは皮質と髄質の間で急に曲って弓状動脈となる。これから皮質に向かって小葉間動脈が分岐し,腎小体の輸入細動脈→糸球体→輸出細動脈を形成し,さらに輸出動脈からは直細動脈が放射状に髄質に向かって走る。その後毛細血管を経て,静脈となり,動脈とは逆方向に,皮質では小葉間静脈,髄質では直細静脈が弓状静脈→葉間静脈を経て微静脈となる。
問題02: 4
解説:膀胱は下向きの三角錐状をしており、尿管は膀胱の後下面に開く。
問題03: 2,3
解説:腎臓は後腹膜器官である。脊柱の両側で、第11胸椎から第3腰椎の間にあり、多くの場合、左腎より右腎のほうが半分ないし1椎体だけ低位にある。腎臓内部の表層にある皮質には、腎小体(糸球体とボーマン嚢を合わせたもの)がみられる。この腎小体には、それぞれ蛇行や直行する尿細管がある(1つの腎小体と1本の尿細管を合わせたものがネフロン:腎単位と呼ばれる)。ボーマン嚢の一端から近位尿細管が始まり、髄質に下行して、ヘンレのわなで折れ返り上行脚となり、再び皮質の腎小体の周囲で遠位尿細管から集合管へと続き、腎杯、腎孟(盤)、尿管と続く。
問題04: 3
解説:1:骨盤の分界線より下を小骨盤と呼び、ここに骨盤内臓(膀胱・子宮・卵管・卵巣・直腸など)が入る。膀胱は男性では直腸の前に、
3:女性では子宮と膣の前に位置する。膀胱は、ピラミッド状で頂きを膀胱尖、底にあたる部分を膀胱底と呼ぶ。膀胱尖は前上部で恥骨結合の後ろにあり、
4:後方の膀胱底は三角形状で上縁の両端から尿管が入り(尿管口)、下方の頂点から尿道が出る。
2:(内尿道口)膀胱の内面は、移行上皮が見られる。
問題05: 3
解説:選択肢の中で、横紋筋線維でできているのは尿道括約筋である。
問題06: 4
解説:尿道隔膜部で骨格筋によって尿道括約筋をつくる。
問題07: 2
解説:1:膀胱は、男女とも恥骨結合の後方にある。
2:男性では膀胱の後方には直腸があるが、女性では膀胱の後方に子宮と膣がある(図2-2)。
3:膀胱壁の筋は平滑筋からなり、尿の排出は、副交感神経の興奮により膀胱壁の筋層が収縮して行われるが、特に内尿道口では筋層が輪状に発達していて膀胱括約筋となり、これは自動的にゆるんで尿が排出される。
4:尿管口は、膀胱底部で膀胱三角の底辺の2つの角をなし、内尿道口が膀胱三角の他の頂点をなす。
問題08: 3
解説:腎臓のネフロン(腎単位)とは、腎小体とそれに続く尿細管からなり、尿を成生する部位を示す。腎小体はさらに、毛細血管からなる糸球体とこれを包むボーマン嚢からなる。
1:糸球体は毛細血管が糸だま状に集まったものである。
3:遠位尿細管は、一度髄質にのびた尿細管が、再び腎小体の周辺に戻ったものをいう。尿管極から直接始まるのは近位尿細管。
4:緻密斑は、遠位尿細管が腎小体の血管極に接する部分でその上皮の丈が高くなり、緻密斑という構造を形成する。これとともに輸入細動脈の平滑筋細胞が、ボーマン嚢の近くで上皮細胞様となる。これを糸球体旁細胞という。
問題09: 4
解説:腎小体は、糸球体とボーマン嚢からなる。腎小体は、表層の皮質に散在している。この腎小体と、これに続く尿細管をあわせてネフロンと呼んでいる。腎小体を構成する糸球体は毛細血管網である。糸球体を作る血管は、太い輸入管(輸入細動脈)と細い輸出管(輸出細動脈)で作られる。この血管がボーマン嚢に出入りする側を血管極、その対側で尿管細管が始まる側を尿細管極と呼ぶ。
問題10: 2
解説:ネフロン(腎単位)とは腎小体と尿細管を併せたものをいう。また腎小体(マルピギー小体)は毛細血管が毛鞠状になっている糸球体とそれを包む袋状のボウマン嚢からなっている。また尿細管は近位・遠位尿細管とそれをつなぐヘンレのワナ(係蹄)からなっている。弓状動脈は腎皮質と髄質の間を弓状に走行する動脈である。
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